遊び場の運営費って?

参加者:
目黒さん、篠山のチルドレンズミュージアムの運営の予算を具体的にお聞きすることできますか?

目黒:行政改革の方向としては、市とか県とか国が作ったものは「直営」にするか、あるいは完全に「民間委託」するかどちらかになってきていると思う。NPOに全面委託することも十分あり得る。少しは風通しのよい運営になっていくかなと思う。
篠山の場合は今のところ直営です。市から職員が3、4人来ています。働きたいという人に手を挙げてもらって、僕と市長で決めさせてもらって。一緒にやりたいというボランティアの人も働いています。市の職員と同じ給料にならないというのが、今一番頭の痛いところですが。行政も今、お金がありませんから。ですから、間接的な雇用と職員とで運営していて、だいたい年間人件費が8000万くらい。

参加者:ほとんどが人件費ですか?

目黒:いや、そんなことはない。企画展をしたりハードの補修、掃除とか。

遠藤:ちなみに羽根木のプレーパークの年間の運営予算は?いいんでしょうか、聞いて。

矢郷:いいわよ。8000万なんて夢の様だわよ。(笑)
羽根木は世田谷区からもらっているのが、年間4つの遊び場で3300万。だから1館につき800万ぐらい。800万なんていうのは、普通の行政がやっていたら一人分の人件費で終わり。一ヶ所でプレーリーダーを2、3人雇用していて不足は地域住民が運営協力費として資金を集めている。実質的に人件費以外の使い道なんて月10万あるかないかですね。

相澤:30年やってきて、状況はちょっとずつ改善されているのですか?

矢郷:冒険遊び場<注釈2>とか子育て支援が注目を浴びるようになったのは、90年以降ですよね。日本で190カ所に増えたというのは2000年の少し前からで、それまではまだまだ注目されなかった。

相澤:じゃあ、ほとんど草の根的に?


子どもの遊びや環境を考えるのは、社会、国家の仕事

矢郷:うん。冒険遊び場は190カ所あると言いましたが、たぶん85%、95%くらいは市民だけでやっています。行政が事業としているのは富士山の富士山プレーパーク(04年指定管理者制度に移行)とか川崎にある川崎夢パーク。渋谷区にもあるよね。ほとんどは地域住民が自分たちの地域で子どもが遊べる場所を作りたいといって集まり、公園や校庭を一時借用してやっているというのが主なんですよ。
市民の人たちが、「子どもの遊び場を作るなら、もう行政任せにできない。自分たちの地域のことは自分たちがやらないと動いていかないし、特に遊び場のようなものは行政が率先してやっていくものではないかもしれない」と気付いています。そういう動きは活発になってきている。それはすごいことだと思っています。
一方で、子どもの遊びや環境を考えるというのは、社会、国家の仕事、大人の仕事であって、地域住民が一生懸命ボランティアでやらなくてはいけない現在の方向にはクエスチョンがついています。

私がおもしろかったのは、海外は冒険遊び場などの運動に入っている人たちは、建築家とか都市計画家とかがすごく多い。都市計画の中に子どもの遊びの環境を考えるというのが当たり前に入っていて・・・。このくらいの規模の住宅団地を作ったら、必ずこのくらい子どもの遊び場を設置するなどということが当たり前になってるからね。

遠藤:日本は、国からの「これがどうしても必要だ」とか「わが国はこれにこれだけ予算を投じました」というような、まっすぐなアプローチはなかなかないですね。

<注釈2>
冒険遊び場とは?
子どもが「自分の責任で自由に遊ぶ」ことを大切にして、火を使うことも含めて禁止事項をなくし、子どもが遊び場にある道工具や廃材、自然の素材を使って、自分のしたいことを実現していく遊び場。1943年にデンマークで誕生して以来、その考え方はヨーロッパを中心に広がり、日本には1970年代に初めて紹介された。現在、子どもの遊び環境が貧弱化していく中、住民主体の自発的な運営により190を超える団体が冒険遊び場づくりに取り組んでいる。
詳しくはこちらを。



樹上の楽園。子どもたちは高いところが好き。

作業台がチャンバラの舞台に。

拾う、集める、そこにあるものが遊び道具になる。

この日は、砂場の■で絵本の読み聞かせがはじまった。
(以上、画像とコメントは矢郷さんより提供いただきました)


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