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どんな山の中でも変わることってある。 illustration:Chieko Tobo |
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桑:dictionaryでmother特集を21世紀に合わせて始めたんですが【5】、dictionaryを15年もやっていると、20才の人が35才になっていて、実はみんなお母さんになっていたりするから、そのお母さんってどういうお母さん? って見つめてみようというところから始めたら、すごく学ぶところが多かった。母の力というか、母を守ろうとか母を中心に物事を考えていこうというメリットをもっと教えてほしいのですが(笑)。 石:産む性というのは、次の世代のことを必ず考えますよね。産んだ子ども達が、どういう時代を過ごせるだろうかということをものすごく考える、これがひとつ大きな違いかもしれない。 2番目に、次の世代を考えるということは、「待つ」、「待てる」ってことだと思うんですよね。日々の生活を見ても、男性で政治をやると、待つっていうことが難しいですよね。それが非常に厳しい世界だなって思う時がありますよね。 それからね、(男性は)グレーの領域を残せない。生き物と対峙する時って、「これが白でこれが黒」って言えないことってたくさんある訳ですよね。その白でも黒でもないグレーの濃淡のところをある程度許容できる部分って、毎日子どもと付き合ったりする中で、たくさんあるんですよね。途上国で仕事をしている時も、例えどんなに悪いと思っても「これやっちゃダメ」って言い方なんてできないんですよ。それは伝統とか宗教、いろいろな社会的要因があって。それをどうやって時間をかけた中でわかってもらえるか、わかってもらえるだけじゃダメで、何かを変える時には代替案が無かったら変われないわけですよね。何かそれと代わるもので、最低それと同じような実入りがあるものを村の人々と一緒に考えていく。そのプロセスは、出産や育児とよく似通っている気がするんですよね。 具体的に言うと、どこかの地域で我々が仕事を始めようとすると、まず出てくるのは、村の指導者。男性しか出てこない。バングラデシュとかネパールの農村に行くと、女性は自分の家の敷地以外出てはいけない、外国人と話しをするなんてもう考えられないなんて世界も多いですから。その男性に、まず我々がやろうとしていることを手を変え品を変え言葉を尽くしてわかってもらう。これを時間をかけてするんですね。すると、次に村が開くのは、その下で仕事をしている男性達。それは村の行政の組織だったり、商売上のネットワークだったり。でもまだ男でしかない。届きたいのは女性なんですけど、女性までいくのに、もう一回みんなに話しをしなくちゃいけない。「これは女性達の仕事だから、女性が我々の提供するサービスも受けられるけども、サービスをする側にもなってもらわなきゃいけない」と。でも、サービスする側になんてなったことのない女性が多いわけです。自分たちで何か選択するとか決めるとかしたことのない人達は、そこまでいくのにすごく時間がかかるんです。そこで、女性だけで収入を得られるための家内工業的な刺繍グループや、ミシンを使って何か作れるようなグループを作るんです。すると家からその共同作業場へは最低出られるようになって、他の女性とまず話しができる。話しができるようになると、その人達はグループですから、村の男性達と話しをすることもグループとしてなら許される場合もある。 |
【5】dictionary no.78(2001年2月発行)dictionary no.85(2002年4月発行)![]()
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