case study13
「母子保健から見る世界(仮)」石井澄江

第2回 皆様は日本が非常に不自由な国だということはご存じですか?
対談:石井澄江×岡田美里×田島三斗美×桑原茂一

JOICFP PRESENTS『世界がもし100人の村だったら』が教えてくれた人口問題
2002年12月21日 @UNハウス
パネルディスカッション
「開発途上国27カ国のプロジェクト活動から世界の差異を読みとる」より


桑原(以下、桑):ジョイセフ【1】のお話を聞いた時に引っかかった言葉の中に「家族計画」というものがあります。例えば中国の一人っ子政策だとか、国の政策によってそれができないという他国の現実を見た時に、「僕達は日本人で、自由で」と思った記憶があるのです。もしかすると地球全体の人口をコントロールするというのは、怖い組織なのではないか!?と、オーバーに言えばそう思ったこともありました。それで石井さんにぶつけたところ【2】、全く誤解だということがわかりました。
石井(以下、石):ジョイセフが仕事をする一番基本の理念は、個人またはカップルが、欲しい時に欲しいだけ健康な子どもを産んで育てられる環境を保障する、それ以上でもそれ以下でもありません。これは、国の方針その他とは全く関係なく、また、持たないという選択、持てない人にはそれを治療する選択も入ります。一言で言えば自己決定権といえると思いますが、「家族計画」とは、自己決定権を実施するのに必要な手段だと我々は考えています。我々はそういう意味で「家族計画」を使うのですが、違う形で受け止められているのが桑原さんのお話を伺ってもわかりました。
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桑:私達と途上国とでは、性に対する認識がどのようにずれているのかお聞かせいただけますか?
石:日本では当たり前だから意識もしないことが、途上国に行くと全然当たり前のことではない。その1つが避妊の手段ということでもいいと思います。途上国で、自分達が自己決定権を持って、産みたい時に健康な子どもを産みたいと思った時、問題は何か。1つはその(避妊の)存在すら知らない人がまだたくさんいます。もう1つは、たとえ知っていてもサービスが受けられない。例えば、今1人持ったから次は3年後に欲しいと思っても、3年空ける知識とサービス・手段が両方手に入らないと、それは実施できません。途上国は両方とも無い国がかなり多いのです。
岡田(以下、岡):女性は受身で避妊もできない、お腹が大きいまま労働しなければいけないということを、知識もないまま何回も繰り返し、危険な状態で産み育てていくというのは、一種のドメスティックバイオレンスだなと思います。私の祖母の国のデンマークですと、産後の福祉や女性に対するヘルプがすごく整っているので、産んだ後も女の人は100%働くのです。専業主婦は1人もいない国といわれています。そういうことが整っていかないからそういうことが起きて、鎖のように途切れていかないのかなと思います。
桑:それが保障されていると、妊娠に対する認識はどうなのでしょうか?



【1】JOICFP((財)ジョイセフ/家族計画国際協力財団)は、戦後日本で培った家族計画・母子保健分野での経験やノウハウを開発途上国に移転して欲しいという国際的な要望の高まりから、1968年4月に外務省・厚生労働省の認可法人として設立されたNGO。このシンポジウムは、ジョイセフの活動や世界の現状を多くの方と共有することを目的に開催されました。 このパネルディスカッションの他にも『世界がもし100人の村だったら』(マガジンハウス刊)の再話者・池田香代子さんを囲んでのシンポジウム、現地スタッフによるワークショップなどが開催されました。

【2】dictionary別冊「mother meets JOICFP」(02年12月発行)で、石井氏と桑原が対談。「mother meets JOICFP」は、ジョイセフの活動を通して、世界や国際協力の現状に目を向けた一冊。購読のご希望は「mother meets JOICFP希望」と書いてこちらまで。






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