case study13
「母子保健から見る世界」石井澄江

第8回 日本は、先進国で唯一HIV感染者が増えている国です。


(財)ジョイセフ(家族計画国際協力財団)のエイズへの取り組みを通し、エイズを巡る現状を伺ったインタビュー。前回のアフリカから日本に視点を移しての続編です。/聞き手:mother dictionary(新堀桂子、桑原紀佐子)、ユーゴ


正しい性知識を、高校までにコンドームを見せて教えなければ誰がわかるんですか?
石井澄江(以下、石井):今、アフリカが一番悩んでいる地域なのでアフリカの話をしましたが(前回)、アジアは次のエイズの問題地と呼ばれているんです。中国とインド。人口大国のこの二つが危ないと呼ばれていて、実際にエイズ患者が増えているんです。

新堀:ちょっと日本のことを聞いていいですか?

石井:日本は、先進国で唯一HIV感染者・エイズ患者が増えている国です。

新堀:妊婦検診でも年間100人以上の感染が推計されているらしいですね(外国人も含む)。でも、たまたま保健所に行った時ぐらいしか、エイズの正確な情報にふれる機会ってない。

石井:おまけにばかなことに、性教育を否定している保守的な動きがあるでしょ。40パーセント以上の高校生が性体験をしている中で、正しい性知識を、高校までにコンドームを見せて教えなければ誰がわかるんですか?っていう話ですよ。それをやらせないじゃないですか。だから、日本って若い人たちの性行動がめちゃめちゃなんですね。今、若い人に性感染症がすごく増えているんです。性感染症が増えてくるとHIVにも感染しやすくなる。そういう危険があるにも関わらず、性とまともに向き合って、子どもたちに教えようとしない動きがあるわけです。このまま学校でも家庭でも性教育を行うことができないとどうなるのか?ということです。持っている知識は漫画からとかの偏った情報で、正確な科学的な情報が全然ないままです。自分の命や健康を大事にするとか、そういう基本的な考え方や意識を植え付けられない教育なんですよね。

桑原:うちの子どもの学校は性教育をやっているんです。まずは生きること、自分がどうやって生まれたのか?から始まってだんだん年齢に応じた教育をしていくんですけど、すごく自然に入ってくるんです。思春期になっていきなり教えられるよりも小さい頃から教えてもらうほうがいいですよね。

石井:今ね、生きるという術をどうやって教えていく時に、一番自分を大切にしようというところからはじまるわけなんです。自分の命を大切にしなかったら、人の命も大切にしませんから。そういうことを教える教育がないんじゃないかなぁとおもいます。



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