case study14
「LOVE & PEACE HOME TOWNは地球!
-発信するこどもたち-」
浦田千恵 沙緒音


子ども達に引き継ぎたい「平和憲法」



初めて寄稿する小林桜子です。浦田さん母娘の平和Tシャツの活動に触発されて、私自身に何かできることはないかと考えていたところ、平和憲法の勉強をしたことと、米国や中東で暮らした経験のあることから、イラクの問題を中心に何か伝えられたらと思い意見を発信することにしました。

私は、夫の転勤に伴って、1991年から1996年まで米国ロサンゼルスに、また1999年から2002年まで中東のバハレーン王国(サウジアラビアの隣、ペルシャ湾に浮かぶ淡路島と同じくらいの大きさの島国)に滞在しました。
旅行や一月、二月の海外滞在は経験したことがありましたけれど、初めて暮した外国が米国であり、二年と少しの間をおいて、次に暮らしたのが中東のバハレーンであったということは、ある意味今の世界を両極から見るようで、とても興味深いものであり、その後の私にいつも複眼的な視野を与えてくれています。

そして、帰国後、今回のイラクのフセイン体制崩壊と、自衛隊の派兵について、色々と考えさせられました。考え込みました。自分自身の意思とは関係なく、世界が、日本政府が動いていく違和感、危機感、無力感。皆さんはどう感じ、どう子ども達に伝えていますか。

平和について考える時、世界に先駆けて平和主義をうたった日本国憲法があるということを考えると、日本国民がもう少しこれを真剣に勉強して大事に生かしていく、これしかないなと思いました。本当ならば、どこの国でも自国の憲法は子どもの頃から勉強するものです。面倒なんていわないで、ここが大事な分かれ目だと思って、親子で一緒に考えてみて下さい。画期的な平和憲法 だった筈が、現実はどんどん違う方向へ動いて行っています。


日本国憲法のこと、平和憲法を生かす

皆さんは、日本国憲法を読んだこと、または勉強したことがありますか?
私は、大学時代に勉強しました。遡れば、小学校四年生の時、日本国憲法の前文をクラスみんなで暗記したのが、最初の出会いでした。難しい言葉や、長い言い回しに戸惑い苦労しながらも、意味を説明してもらいながら読み進み、一語一語噛み締めるようにして、ある感動をもって暗記したのを覚えています。

前文といっても結構長いのですけれど、是非一度、せめて前文だけでも一読してみて下さい。私達の日本という国の大原則が定められている憲法の精神を表明しています。比較的始めの方には、『〜、政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。』というのがあります。有名な9条のだけではなく、前文からして、平和憲法の特徴を示しているのです。そもそもこの憲法は、あなたがもし、平和を何より大切にする人ならば、その価値に気づく筈です。それなのに、小泉首相は憲法前文の一部を引用して、イラクへの自衛隊派兵に踏み切りました。それは絶対違うでしょう。

9条の要旨は
@国際紛争を解決する手段として、武力の行使は行なわない。
A前項の目的を達するため、陸海空軍とその他の戦力は、これを保持しない。
というものです。これは、主権国家としては、歴史上初めての、大胆で徹底した平和主義の標榜です。でも、これを非現実的としてみるべきではなく、逆に第二次世界大戦で日本が軍国主義、全体主義、植民地主義で世界から孤立し、国民も苦しんだ反省の結果として、 また人類史上今のところ唯一の被爆国として多数の市民が犠牲になった代償として、勝ち得た成果だと捉えられないでしょうか。

この平和憲法を掲げて、武器の製造・販売は一切せず、国際間の武器の輸出入の規制強化に取り組み、核兵器の廃絶に邁進し、兎に角国際紛争の平和的解決へ全力で努力する国家として、日本が国際社会で名誉ある地位を占めることが、あるべき姿だと思います。どんなに正当化しても、武力による解決は根本的な解決には決してなり得ないことは、今回のイラクだけでなく、歴史を見れば明らかです。

第二次世界大戦後今まで、この憲法のお蔭で、日本という名の下に外国人を殺すことがなかったことは、子ども達に残す歴史として、喜ぶべきことではないでしょうか。ミサイルを持つ自衛隊ではなく、安全保障といっても、大災害時に備えた医療・消防・警察・非難設備などの総合的な部隊(いつでも海外にも専門家集団として派遣できるような)を持つことに税金を使ってほしいと思います。

『経済大国になったのに、なぜ生命を賭した国際貢献ができないのか』と言う勇ましい意見も聞こえます。でも、武力を行使することは、それ自体に新たな紛争の種が潜んでいるのです。『国際協調』という名のもとに、『派兵すべき』という意見もあります。でも、例えばフランスもドイツも軍隊は持っていますけれど、米国のやり方に反対して、今回イラクには派兵していません。歴史、文化、など国が違えば、自ずとそれぞれの行動も異なるものです。

また、大国による紛争地域への介入もしくは不介入には、その時その時の大国の利益が見え隠れしています。必ずしも『正義』のためだけと言うことはありません。例えば、米国のラムズフェルド国防大臣は、以前フセイン元イラク国王と利害が一致していた時代があり、握手をして一緒の写真に納まっていたこともあります。また、私達にとって、よいと思う政府を選ぶという考え方も持っていなくてはなりません。子どもを戦争に巻き込んでいく政府を選ぶか、平和の道を選ぶか、ということです。どうぞ、この機会にもう一度、第二次世界大戦後に日本が選んだ『国際紛争の解決に武力を使わない』という平和主義の意義を確認してみて下さい。

米国から攻撃を受けていたフセイン独裁政権下のイラクの戦火の様子をみて、私は第二次世界大戦末期の日本の市民の上に襲いかかった空襲もこうであったのではと想像しました。圧制から市民を解放するという米国の大義も重なりました。国際紛争を解決するために、日本は武力を使わないと決めたのです。これを、私達が国際社会に説明し、誇り高く宣言し、力強く平和主義を実行していかなくてはなりません。是非、子ども達にこの平和憲法を引き継いでいきましょう。

憲法について、または憲法を読むならば、

「日本国憲法」小学館(写楽BOOKS)
憲法の本文を大きな活字と29枚の写真で紹介、英文付。

「憲法マイルド考」北泉社
はらたいら編(各章に4コマ漫画つき) 小林直樹編
憲法の内容全般を20の章に分けて、各章4頁で簡潔に解説。

岩波新書からだけでも、「憲法を読む」、「憲法第九条」、「平和憲法」、「憲法読本」、「比較の中の日本国憲法」、等などたくさんあります。(2004/03/15)









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