case study19 第3回「阿佐ヶ谷住宅」冬の頃

 
阿佐ヶ谷住宅の緑

「阿佐ヶ谷住宅」の建物は全て南へ向いて建てられています。
建物と建物の間には必ず風がたっぷりと抜ける空間と緑があります。
そして、共有の広場(コモン)が健在しています。

阿佐ヶ谷住宅を建てられたチームの方々は自然に近付ける為に、「同じように」木々を植えませんでした。
その想いは48年の年月と鳥達が運んだ種と共に、本当の自然のようになりました。

来春に予定されている再開発では等価交換をするの為に350世帯から620世帯の居住空間になります。
その為に緑が一掃されてしまいます。

最後の季節を巡るの木々たちをお伝えしていきたいです。

暖かな冬もやっと寒さが本番となり木々達も「冬の顔」を見せ始めました。

 
大きな蜜柑
正確な種類は分らないのですが、「大きな蜜柑の木」が阿佐ヶ谷住宅には沢山あります。建物が低く陽の光も風も充分に届くので、どの木も本当に「たわわ」なんです。下から見上げると「わーっ」と感嘆の声がでてしまう程です。

一応、無農薬なのでジャムにしたり、ピールにしたり…と美味しいものへと変貌も遂げるのですが、お風呂の時も重宝します。柚子湯のように入れると、なんとも言えない爽やかな香りに包まれます。

「自然って偉大。」阿佐ヶ谷住宅にいるとそんな言葉ばかりが浮かびます。

 
椿
お花が少ないこの季節に彩りを添えてくれるのはやはり「椿」。

椿ののつややかな葉は虫たちの大好物で、夏の頃に殆どの葉が食べられてしまいます。でも、葉が少なくても、ちゃんと「椿」は咲くんです。椿は健気です。

葉がない枝にポンと咲いている椿も趣きがあります。

 
紅葉
今年は暖かかったこともあって、なかなか紅くならなかった「紅葉」。
師走を前に一斉に色づき始めました。

紅葉は長家型のテラスハウスの前に植えられていることが多く、白い壁を背に素敵な造形を作り上げてます。

我が家のテラスハウスの玄関脇にも小さな紅葉があります。
いつもはお教室の前に玄関前を掃くのですが、この季節はそのままにします。

玄関前の石段に落ちる紅葉もとても綺麗なので。

子供もこの季節、沢山、紅葉を拾います。
落ち葉の中で紅葉は「赤く、星型」で宝物なんです。

 
贅沢
季節を巡る草花を感じれることも幸せなのですが、阿佐ヶ谷住宅では「一瞬の贅沢」を感じる時もあります。

阿佐ヶ谷住宅は建物も低く、建物よりも緑も多いので「空」がとても開けています。
日没の頃は多彩な色と共に空が変わって行きます。

その変化に包まれる一瞬は美しく、もちろん、カメラなどの記録を撮る暇もありません。
ただ、ただ、自分の目で見るだけです。

なんて、贅沢なことだろう。

そして、「自分の目」で見るという当たり前のことを思い出します。
便利な道具に慣れてしまっているので。

飛行機雲が大きな空を斬って行った時はジブリの映画を思い出しました。
息子も声をあげて空を指差しています。
それから、飛行機は息子の憧れです。

 
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