| case study20 「学ぶことは心に翼をもつこと。」 第5回 いま、ここにある「不当な支配」――七生養護学校のこと |
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2006年12月15日。教育基本法「改正」法案が、十分に審議されないまま、131対99で可決されました。 教育基本法「改正」問題に取り組むきっかけになったのが、ふと出かけた町田の集会だったことは、連載の第一回で書きました。でもよくよく考えてみると、集会に出かけてみようと思ったベースに、もう一つの事件があったのだと、最近、気づきました。 「七生養護学校」の生徒たちは、考える力やコミュニケーションなどの点でハンディを持っているのですが、身体の発達は同年齢の子どもたちとほとんど変わりません。ゆえに、子どもが虐待の対象となったり、集団生活の中で性の問題行動が起きてしまうということがありました。そのために、学校全体で性教育に取り組む試みが始まったのでした。 現場の先生たちは、子どもたちと痛みや喜びを共有しながら工夫を重ねて授業を作ってきたのです。でももう何もできなくなってしまった。監視の目が厳しく、これまで、職員室で活発に行なわれてきた、生徒一人一人を見据えた教育的議論も不可能となってしまったそうです。――都教委は、指導主事を学校に派遣して80人を超える教師から事情聴取。校長先生は降格され、東京都全体で100人以上の教師が処分されました。また、授業計画などの膨大な書類提出を求め、教師たちが教育に向き合う時間を奪いました。 「不当な支配」に抗議すべく、先生たちは立ち上がりました。そして2005年1月には、東京弁護士会が都教委と一部都議らに、警告文を発し提訴しました。その警告文のよりどころとなっているのが、「不当な支配に服することなく」とあった、まさに教育基本法第十条だったわけです。 改定後は、教育委員会の存在は見直されるそうです。当然ですね。 でも、改定法第十六条により、国家や地方公共団体は、教育の場に堂々と介入してくるでしょう。 このあまりに理不尽な事件を伝えることは、よっぽどのことがない限り控えるつもりでした。もちろん、これは客観的事実ですから、みなさんが知ることはとても大切だと思います。でも、私自身が言葉に記すと、理性を失いそうだし、到底伝えられないであろうと思っていたのです。けれど、大切な教育基本法(大江健三郎さんは、「作品」と呼ぶにあたいする文体をそなえた、と表現していました)があっさり、数の暴力で押し切られてしまった今、書かずにはいられない状況となってしまいました。 教育基本法で教育行政について定めた第十条第一項には「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に直接に責任を負って行われるべきものである」とありました。「国民全体に直接に責任を負って行なわれる」という言葉により、教育は、教える人と学ぶ人の直接の関わりの中できめ細やかに行なわれるものであり、現場と遠く離れた高みに位置する国家やそれに類する機関が介入するべきではないとしています。 記事執筆にあたり以下の書物、記事を参考にさせていただきました。この場ではすべてを伝えることができないので、ぜひ、参考にしてください。 |
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12月16日、改定法が可決された翌日、中学で催された、平和について考えるイベント「ピースデイ」にて。『11の約束 えほん教育基本法』(ほるぷ出版)を読んでもらって、感想を聞かせてもらいました。 |
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