small talk「before mother〜母になる前のこと」
2003年8月30日 於:foo

mothers:相澤久美(建築家)×遠藤幹子(建築家)×中山まりこ(スタイリスト)
×柳由起子(カフェオーナー)×広野ヨシミ(ライター)
企画・主催/foo(東京・東麻布) コーディネート/mother dictionary



数年後の自分の姿を想像したことはありますか? 仕事に恋に結婚に……もしかしたら子どもも産まれていたりして! でもそうした理想と同時に一抹の不安も。そこで、人生の先輩「mother」に相談すべく、before motherの私たちがトークサロンを開催しました。motherとなってなおパワーに満ちあふれる彼女たちの「before mother」時代とは? 母になって変わったこととは? 
当日、来場者の方には、質問をキーワード形式で挙げていただきました。数々のキーワードの中から「解放」「仕事と恋」「子育ての理想と現実」についてトークをここで公開します。(foo/石田貴子・田畑実希子)


「解放」
中山まりこ:解放?! 哲学的ですねぇ。
相澤久美:もともとみんな解放系じゃない?
中山:そうそう(笑)。私はいかにストイックにいくかってことに努力してる。解放したら、どこにいっちゃうかわからない20代だったから。だから今、結婚して東京にいるってこと自体がすごく自分自身の安心につながっているの。
広野ヨシミ:結婚する前は自由に時間を持てていたけど、「すごく自由」だったかなって思うと、あんまりそうじゃなかった。いつも何か解せないものがあった気がするな。逆に結婚って、一見するとすごく縛られている感じじゃない。結婚した当初は、独身時代のような生活にならなくて「えー」とも思ったけれども、縛られているんじゃないような気が今はしてる。でもね、自分が結婚する前は、結婚している友達の家に遊びに行く度に「結婚なんてしたくない、子どもなんか産みたくない。絶対、結婚しない!」って思ってた。自分にはできないって思ってた。
一同:思った、思った(笑)。
柳由起子:私は子どもを産んでからは「解放されてる」って感じたことはないかも。でも今すごく楽しいの。解放されてるって感じとは違うけど、子どもができる前には味わえなかった楽しさがある。もちろん、食事の用意やお迎えとか毎日の決まったルーティン作業が絶対あるわけだけど、それ以上の喜びがある。私も自分が子どもを産む前は、「子ども大好き!」ってわけじゃなかった。でもいざ、自分の子どもが産まれたら、世界中の子どもがかわいい。産んでみないとわからないかもしれないけれど、解放とは違う心のやすらぎがあるのよね。
遠藤幹子:私、「子どもがいるせいで仕事が全然できない〜っ!」って思ったことが何度かあるの。でも人間って、ちゃんとやることやらないといけないじゃない。やることやって、ふっと頭が冴えて、仕事とかいい調子で動く。そういうときに、すごく自由だなって思う。自分が背負っているものがある。その背負った状態の自分がすーっとすべれる瞬間っていうのかな。子どもがいた方がすべれる。そういう瞬間があるなぁ。

相澤久美
建築家。1969年東京生まれ。91年ボストン大学経済学部中退後、設計事務所勤務。97年より設計事務所「ライフアンドシェルター社」を松野勉と共同主宰。02年、オープンスペースをもつ自宅兼事務所が竣工。事務所をシェアする編集者、デザイナーと共に、建築をベースとした様々な人、物事、情報が集散していく都市生活者のハブ「foo」を始動。イベントなどを定期的に開催。長女、にこは10月で1歳9ヶ月に。www.lifeandshelter.org



遠藤幹子
建築家。1971年生まれ。東京芸術大学美術学部建築科修了。インテンショナリーズを経て1998年「guesthouse」を共同設立。その後オランダに渡り出産、berlageinstitute修了。スリランカを経て帰国し、2003年4月から東京で「Office Mikiko」をスタート。家具やおもちゃのデザインも手掛ける。娘・アムは4歳になりました。http://www.officemikiko.com


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