柳:20代って、すごく自由だったかもしれないけれど、どこか焦燥感があった気がする。 でも今は子どもがいることで、自分の力量や、「今、自分ができること」とかが、すごくわかってきた。夢見がちばかりじゃない自分がいる。そういう中で、仕事とかがうまくいったら、「やほー!」って思うよね。対外的にすごいことをしてるということよりも、もっと自分に近い部分での嬉しさがある。
広野:それにできないことが、できるようになったかな。
相澤:そう、あるよね。
広野:私の場合、20代のときって、全部自分でやろうとしてたのね。「一人で何でもできる」って思ってた。人に頼むということが、何か嫌だった。弱い感じがしてた。でも、そうじゃない。自分が勝手に「相手に迷惑かけてる」って意味づけしちゃってただけ。そういう意味では、子どもを産む前の自分とは考え方がまったく変わった。わざと変えたわけじゃなくてね。それに自分のやりたいことにであった時に、その実現のための手段をすごくいろいろ考えるでしょ? そうした中で、自分自身に勝手に色々なレッテルをはってることに気づくの。それが分かってくると、自分に対して「これはできない」って規制はつくらなくなるよね。
遠藤:子どもがいると、そんなに色々できないじゃない。じゃあ、そこでどうやってやろうかって考える中で、今までコンタクトとってなかった人にお願いすることもあるしね。
相澤:子どもを産んでから、お願いがうまくなったかもねぇ。甘えではなくて、素直に頼れるようになったんだと思う。

「仕事と恋」

広野:恋なんて最近してませんしねぇ(笑)。でも、これまであまり「仕事と恋」の両立って考えてなかったですね。恋をしつつ仕事に彼を巻き込んじゃったりしてたから。でも、それで自分なりに両方消化して気がするなぁ。
遠藤:自分が「母親」になってみて感じたことがあるの。ちゃんと家の掃除をして、ご飯つくって、子どものお迎えに行って……って、まっとうなお母さん的な暮らしをしてると、仕事をしてても頭が冴える気がするの。逆に子どもが家を空けていて、独身時代のような状態に戻って仕事をしてると不思議と全然はかどらないの。
――家事をしつつ限られた時間の中で仕事をするから集中できるのでは?
遠藤:いや、子どもがいることで安心するのかな。
広野:この前、あるバンドの女性ボーカルの方にお話を伺ってすごく共感できたことがあるんですよ。彼女にもお子さんがいるんですが、彼女、ライブの後、家に戻ってきたらまず家事をするんだって。そうすると「すごくクールダウンして、自分に戻れる」って言うの。そうしたサイクルの中で自分を保っている。すごく共感しました。
相澤:仕事と恋? 独身の頃はそれぞれ普通にたのしんでいましたね。
柳:でも、子どもができてからは「仕事と子ども」に頭がいちゃって、「仕事と恋」について考えてみたことがなかった。
相澤:中山さんは旦那さんと恋してるんだよね。
柳:うらやまし〜。

中山まりこ
スタイリスト。東京生まれ。1989年、スタイリストアシスタントを経て独立後渡米。セレクトショップのインポートバイヤーとして米国各地をまわり活動した後、ジョシュア・ジョーダン(当時『HARPER'S BAZZAR』誌などのスタイリングディレクター)に師事。91年、帰国後NOKKOソロデビュー時のビジュアル・ディレクションを手掛ける。現在は、雑誌、広告、ミュージシャンのスタイリングを主に手掛ける。2児の母。



柳由起子
1966年生まれ。85年、レコーディングスタジオ「デジタルマジックシステムズ」を設立、音楽制作をしながらアーティスト草間弥生の制作アシスタント、石川賢治氏の月光浴の被写体のキノコハンター等を務め渡英。マイアミ、サルデニア等にも居を置き、農作物の収穫、クラブのサクラのダンサー等で生計を立てながら渡り歩く。94年帰国後クラブ「PULG」と「VITAMIN-Q」をプロデュース、オープンエアーのパーティーもオーガナイズする。現在、随筆活動などしつつ、中目黒「Mangosteen Cafe」を営む1児の母。「Mangosteen Cafe」を、土曜と日曜の昼間、子供達のためのワークショップや教室をやりたい方に無料でお貸ししようと考えてます。遠慮無く連絡ください(03-5489-7211)。やってみましょうよ!


(C) Copyright 2003, CLUBKING Co. All right reserved